【 グリーフ(悲嘆)を癒すための🍀プロセス🍀 】
■喪失を体験したとき
大切な人との死別というのは人生にとって最も大きな苦悩といえます。さまざまな感情が溢れ出して押しつぶされそうになったり、心にぽっかり穴が空いたような感覚になるなど、一人では抱えきれない状態になることもあります。
ペットとの死別、離婚、恋人との別れ、さらには心身に障がいを負うなど、これまでの生活環境や健康な心身の状況を失うことも、大きな喪失体験となります。
これらの死別や喪失に直面した人が『グリーフ = 悲嘆』を乗り越えられるようサポートすることをグリーフケアと言います。時の経過に伴いさまざまな感情が落ち着き、次第に自分を取り戻すことができていくものですが、身体的・精神的な症状が強く出たり、長く続いたりする場合には、特にケアの必要な状態といえます。
死別などの喪失体験が生じると、人はその悲しみを癒すためにいくつかのプロセスをたどります。プロセスの様々な反応は、すべて自然の反応であり決して異常なことではありません。癒されていくプロセスは、人によってさまざまではあります。
【 グリーフ(悲嘆)のプロセス 】
●否認と混乱の時期(ショック期)
喪失の直後は、頭の中が真っ白な状態になったり、気が遠くなってしまうような感覚におそわれたりします。喪失が大きいと日常生活が中断し、今起きている状況に対処できなくなることもあります。また、警戒心が強くなって物音にも敏感に反応してしまい、気持ちが落ち着かずソワソワしてしまうこともあります。
●悲しみが怒りに変わる時期
少し時間が経過すると「なぜこんなことが起きたのか」「許せない!」など怒りが出てくることがあります。怒りは喪失に関わるさまざまな人々に向けられ、さらには自分に対して怒りを持つこともあります。
●亡くなった方、喪失のことばかりを考えてしまう時期
「なぜ、あの時こうしておかなかったのか」など、自分の行動を悔んだり、やり直したいと願ったり、自分に罪悪感をもったりします。この自責の念は、特別な事情がない限り、1年以内には終息していく傾向にあるともいわれています。
また、いろいろなことへの興味や集中力が無くなったりして、物忘れや思い違いが起こることもあります。喪失の対象がそばにいるかのような感覚にとらわれ、時には周りを見渡し、残影の確認をしてしまうこともあります。涙にくれる時期が続くこともあり、死んでしまいたいと思うこともあるかもしれません。
●抑うつ感や落ち込みを感じる時期
死別の時には、葬儀や一連の手続き、身辺整理などに一旦区切りがついた半年から一年が経過した頃から、心にずしりと死別の重みを感じ、抑うつ状態が現れやすくなるとされています。ある種のおびえにも似た不安感に襲われることもあります。自分の状態は正常なのか、本当は病気ではないのか、この先どうなるのかなど、できれば同じような経験をしている人に話を聴いてみたいという思いが芽生えます。
●孤立感や疎外感を感じる時期
死別によって自分の周りにいる人々の態度が変わったように感じたり、時には、見捨てられたと感じることもあります。これまで親しかった友人といても溶け込めない、一人で買い物や外食をしていると、人の視線が気になることもあります。
●喪失を受容することができていく時期
自分の人生が喪失によって終わったのではない、人生を再スタートする選択を始める時期ともいえます。感情の深いところから悲しみがせりあがり、心の底から思いきり泣ける段階ともいえます。喪失はしたけれど「自分の人生はまだ終わっていない、生き続けなければならない」と思える段階です。
●自分の人生を再び歩もうとする時期
喪失を踏まえ、再び自分と周囲の人との関係で何を再構築していくかを考え、「自分の人生をもう一度やり直そう」と、新たな人生に向かう意欲が出てきます。
喪失の事実に対する記憶が消えるということはないのですが、自分の失ったものが、いかに自分の人生で大切であったか、どんな意味があったのかということに気づき、再び人生を歩んでいこうとする時期です。
※身体的反応が起こることもあります
息切れや動悸、疲労感といった状態が現れることがありますし、頭痛、吐き気、体重の変化、食欲不振または過食状態、胃痛、めまい、耳鳴りなども起こります。グリーフによって強いストレスを感じることで、体の免疫機能の衰えや、食生活の乱れ、寝つきが悪くなる、夜中に頻回に目が覚めるなどの睡眠障害などの生活要因も重なって、体調を崩してしまうこともあります。
【 グリーフワークの方法 】
◆家族や信頼できる人に自分の気持ちを打ち明ける
自分が話したい、聴いてもらいたいと思える人に、その思いを打ち明けることで、救われていくことがあります。
思慕といって、自分なりの記憶を選択して整理するために、何度も失った人を思い出し、無意識に思い出がよみがえってくる反応があります。失った方の姿を心に焼き付け、心の片隅に残しておこうとする願望であり、絆が強いほど、この反応は強くなります。
◆自分の気持ちのままに過ごす
記憶に残したいものは、文章や写真など記録に残すようにする。喪失の対象と過ごした場所に行ったり、共にした時間をそのまま日課に取り入れたり、思い出の品に触れたり、仏壇、遺影に話しかけたりなど思いのままに過ごしていきます。
日常のリズムも整えながら過ごしていただければと思います。
◆今できることをする
人に語ることができない場合には、自分自身を助けるために、今できることをするという選択があります。仕事あるいは学校に行くなど忙しさを保ち、いつもの習慣に従うようにして家族の面倒をみるなど、目の前の自分ができることにのみ意識を向けていきます。考えないように過ごすための方法にもなりますが、忙しくしすぎて体調を崩されないように留意していただければと思います。
このような時期を過ごしながらも、夜や一人になった時などに感じる思いに丁寧に向き合ってあげる必要もあるかもしれません。(※をご覧ください)
◆カウンセリングを受けるのも一つの方法です
カウンセリングでは、守られた空間で様々な思いに寄り添うことを大切にしています。家族の中でも、喪失に対する表出や感覚には差がみられるものです。身近な家族だからこそ遠慮して言えない感情も、どんな思いでも、カウンセラーにお話しいただければと思います。
宮林らの報告によると、これまでの生活とは異なる生き方を身につけ何とか一区切りついたという意味での悲嘆の終結は、平均およそ4年6か月といわれます。さらには、お別れの状況、結びつきの強さ、年齢などによっても個々にさまざまです。
どのような時期であっても、グリーフを癒すサポートをさせていただきたいと思っています。
※悲しみを癒す作業(グリーフワーク)がうまくいかない場合
絆の強さや深さ、急な喪失、不慮の喪失、恐怖を伴う惨事に居合わせる、喪失に対して傷つきやすい方、家族のサポートを得られない方などは、グリーフワークがうまくいかない場合があります。
悲嘆の中にずっとうずくまってしまい、日常がうまくこなせなくなっていたり、悲しみや怒りなどの感情を表に出すことなく「どうってことはない」と抑圧しているなど、どちらか一方が長く続くときに、グリーフ(悲嘆)が最も辛くなるとされています。
自分のなかに湧き上がる感情を、心の奥底に押し留めておくことが必要な場合もあります。その留めおいた感情は、日常の中でのふとした出来事がきっかけとなって、いつもと違う感情として溢れ出してしまうことがあります。自分でも思わぬ言動をしてしまい自己嫌悪を抱くようなときには、抑圧している感情があるのかもしれません。少し休息することが必要な状態ともいえます。
また、信頼できる人や心理カウンセラーに話をしてみるという方法も試していただければと思います。
一人で心に秘めているとき、自分の状態に不安なとき…などはピースフルマインド・オーシャンをご利用ください。対面カウンセリングのほかに、電話カウンセリング、訪問カウンセリングなど状況に合わせて、グリーフケア・アドバイザーとしてサポートさせていただきます。